最終更新日 2024年4月8日 by obliok
最近は介護タクシーを街中で見かけることが多くなりましたが、一般のタクシーとどのような違いがあるかを正確に理解をしている人は非常に少ないものです。
高齢者や要介護者を乗車させるための様々な仕組みを備えている事は多くの人が想像できるものですが、その普及の背景になった事柄や実際に利用する場合にはどのような手続きが必要かなどは知らない人が多いものです。
しかしこれを知っておくと将来自分の身の回りに利用する必要がある人ができた場合や、また自らが利用しなければならない場合などに非常に便利となるので、その理解をしておく事は非常に良いものとなっています。
介護施設が抱える問題
介護タクシーが普及した背景には様々な介護施設の抱える問題と、介護保険制度の課題があります。
介護施設が抱える問題の中には、その施設が急激に増えたことや施設自体を設置する場所が必ずしも利用者が通いやすい場所ばかりではないと言うことにも起因しています。
このような場所では基本的には自らの施設で送迎車両を用意することが最も望ましいのですが、これを用意するためには車両を購入しなければならないこと、及びその車両を運転するための運転手の存在が必要になることなどが非常に大きな課題となっているのです。
大手の資金を潤沢に持つ施設の経営者であれば車両購入したり運転手を雇用する事はそれほど大きな問題とはならず、サービス向上のために必要なものと考え導入をすることも可能ですが、最近では必ずしもこのような施設ばかりではなく、利用者が自分自身で交通費を負担して利用すると言う場合も非常に多かったのが実態です。
しかし一般の交通手段を利用する場合には様々な問題が生じることが多く、例えば乗り降りが非常に不便であったり誰かの助けを借りなければ乗車できないなど、これらの問題が非常に大きなものとなっていたのです。
介護保険の効果的な利用と言う側面もある
また、このようなことのために家族や周辺の人を煩わせたくないと言う思いから、施設に通うことを拒否する人も多かったため、その利用を促進するために何らかの手立てを打つことができないかと言う考えの下で始まったのが介護タクシーのシステムです。
さらにその背景には介護保険の効果的な利用と言う側面もあり、これまでも介護保険制度に則って必要とされたサービスを受けるために施設に通う場合には、その交通費の1部も保険から負担される仕組みとなっていましたが、それだけでは一般の交通機関を利用する際の不便さを払拭する事は難しいものとなっていました。
一般的なタクシーの中にも1部には体の不自由な人などを楽に乗り降りさせることができる仕組みを備えたものも存在していましたが、一般的にこれらの車両の利用料は通常のタクシーよりも高額であるため、保険を適用する際も非常に高額な金額を負担しなければならないものとなっていたのです。
現在の保険制度は加入者から保険料を集めて必要な人に配分すると言う一般的な保険の仕組みであるため、できるだけ効率よく利用をしなければならないことになり、そのために高額な料金を交通費に支払う事は非常に難しい課題となっていました。
介護タクシーのメリット
介護タクシーはこれらの様々な問題を解決する有効な方法として考えられており、その1つには利用者の送迎手段を持たない介護施設であっても、事前に申し込みをすることで利用することができるといったメリットが評価されるポイントとなっています。
そのため、これまでこの送迎の問題がネックとなりなかなか利用者を迎えることができなかった施設であっても、多くの人が気軽に利用をすることができるようになりました。
さらにその交通費も様々な仕組みや考え方の導入により比較的安い価格で利用することができるようになったことで、保険料の負担額が抑えられるほか、自分自身で利用をした場合でもその負担額を少なくすることができるといったメリットが生まれるようになったのです。
基本的にその費用は介護保険の中から負担されることになっており、ケアマネージャーが設定した必要な介護サービスを受けるための交通費と認められればその金額が元から負担されることになっています。
そのため非常に様々な施設を利用しやすくなるといったメリットが考えられ、ケアマネージャーとの相談により自分が利用したい施設を利用することができるようになったと言うメリットがあります。
まとめ
その他にも、介護タクシーはケアマネージャーの介護サービスの利用計画の中に含まれるものとなっているため、費用面をあまり考えずに積極的に利用することができるものとなっているのが特徴です。
また必要に応じてケアマネージャーや介護担当者と相談することで利用することができるため、高齢者や要介護者にとっては非常に便利なものとなっています。
介護タクシーを利用するためには、介護サービスを受けることが目的である場合に限られるため、基本的にはケアマネージャーの認めが必要となることが少なくありません。
これは介護保険を利用した送迎サービスであることから、そのサービス提供責任者であるケアマネージャーの指示を受けることが重要なポイントとなっているのです。
